−中村善行 メジャーデビュー以前−


1997年8月4日

「カメラ目線」 by中村善行

今日から12日まで、農耕車限定の大型特殊とい う免許の教習を受けに行く。畑を走るぶんには免許はいらないのだが、路上を走って事故を起 こした場合には会社としても非常に都合が悪い。また、うちの会社は住宅地など、条件の悪い 所を仕事にしていて路上を走る機会が多いので、事故を防ぐ意味でもこの教習は重要だと思っ ている。しかし、せまいコースで、なれないトラクターを運転しての安全確認というのは意外 と難しかった。また、テレビ金沢が特番の取材に来ていたので、よけいに緊張した。
プロに、じっとカメラで見詰められるとどうしても動揺してしまう。なんでも、自分や研修生 の谷口さんなど、家が農家でないのに農業をやっている人は恰好の取材対象らしい。運転中も 結構指導を受けてかっこ悪かったが、テレビ的にはまあいい絵になったのだろう。


1997年8月3日

「ケビン・コスナーになりそこねた話」 by中村善行

自分は映画が好きで、一度見た映画は結構いつまでも忘れない。そして、なにかの場面で思い 出したり、連想することがたまにある。実は、昨日・今日と関西へ旅行に行って来たのだが、 大阪駅の階段での出来事。ベビーカーを押したお母さんが登場、とくれば「アンタッチャブル」 の有名なシーン。ところが、エリオット・ネスの出番か、とおもいきや、そのお母さんはひょ いとベビーカーを抱きかかえ、こともなげに階段を上って行った。もっと大きそうなベビーカー をかかえて階段を降りていくお母さんにも出会った。いやはや、母は強し。自分はアル・カポネ でも演じようか。
ところで、おみやげには兵庫県産のお米「どんとこい」を買ってきた。「こしひかり」にまさ るともおとらない品種という評判もあり、どんな味か楽しみだ。


1997年7月18日

「おわびと訂正と感謝」

また登場の新人・中村です。北村さん、万年小作さん、水渕さん、ファンレター(?) をありがとうございます。
今後はタイトルと名前を付け、おちゃらけつつも時にはまじめに書いていこうと思います。
さて、7月11日の日誌で除草剤のことを書きましたが、私が勘違いしてたことがあるので ここで訂正させていただきます。
今、うちの会社でまいている除草剤は、液体がかかった部分は枯れますが、これからはえる 草をおさえることはできません。
草刈り機より歩くスピードが倍以上早くて楽というだけで、薬は日光で分解され、土壌中には 残りません。
土壌中に残留し、これからはえようとする草も殺してしまう農薬もあるのですが、それを使った 時は土が死んでしまい、あぜ道が崩れていったそうです。濃度を加減すればよいのかもしれませ んが、環境に配慮してることもアピールしたいし、この場で訂正しておきます。
もちろん、人体には危険なものですが。(脱毛は多分できない)
ところで、今日は、追肥といって稲穂のための肥料散布と草取りをしたのですが、うわさの「ヒエ」 を写真におさめました。右の写真の、右側がイネで、左側がヒエです。ちがいがわかります?
(中村)





1997年7月13日

「締め切りマニア」

今日は日曜日だが、農協と、農業改良普及センターによる、コシヒカリの現地指導があった。
今回は藤平全体での話で、近所の田んぼの生育状況も見れて参考になる。
昨日の夜は中宮温泉近くのとうふ料理屋「むらうち」で、豆腐のフルコースをいただいた。(名目は大豆加工研修)
どれもこれもおいしく、豆腐だけでおなかがいっぱいになった。おかみさんとの話も楽しかったし、 うちも大豆を生産してるのでこれが縁で事業にも結びつくかもしれない。
明日は、社長が帰ってくる予定。九州はひどい雨だったが、連絡がないということは生きてるの だろう。浩陽さんは「晴れ男」というイメージがぴったりだけど、雨にあわせて、水俣へ行った ようなもんだ?!
自分の書いた文章が一部の人に好評らしい。ありがたいことです。大学生協でニュースを書いたり、 執筆活動はちょっと経験がある。特に私のインタビュー記事は人気があった。
あのときは締め切りの種類がたくさんあって苦労(笑)した。1次締め切り、本当の締め切り、 裏の締め切り、最後の締め切り・・・
まあ、一応編集長をしたこともあるので、やっぱり締め切りは一つである。みなさんも締め切りに 追われる快感を味わいましょー!
(中村)


1997年7月12日

「クリント・イーストウッドとの共演?」

今週から稲刈りまでしばらく、林農産は週休二日の予定である。稲刈りが始まれば日曜日もないので、 今のうちにやれることをやっておきたい。
で今日は、農業法人・六星生産組合の20周年記念式典・祝賀会に出席した。
代表取締役・北村歩氏が挨拶の冒頭で感極まって涙声になったのがすごく印象的だった。他の方もう つむいていたり、つらそうな顔だったり・・・
「20周年記念なんだから、もっとにこやかに」なんてのは、やはりあさはかな考えなんだろうなぁ。 (自分は前の方の席でヘラヘラしてた。)
永年勤続者表彰の時も、表彰状記念品を渡す側も、受取る側も涙ぐんでいたり、素敵な記念式典だった。 どんな苦労が頭をよぎっていたのだろう。
幾多の試練苦難を乗り越え、地球の農業に尽くされた方々に敬服いたします。

ところで、祝賀会は立食パーティだったのだが、松任市長が帰る時に、私たちのテーブルまでやって きて、なんと私の1メートルぐらい前で「ありがとう」といわれたので、私は「ご苦労様です」と返 したが、あんな挨拶でよかったのだろうか?地球の常識を知らない宇宙人としては心配である。
パーティで公人が挨拶をしてまわる、という場面で、イーストウッド主演の映画「シークレットサー ビス」を連想する私は病気?
警護の人の姿も見えなかったし、私は胸の内ポケットに手を入れたくなった。(バカ)さてその後の 展開は?
@、拳銃を出す
A、名刺を出す
B、いんろうを出す
本当はイーストウッドに「Gun!」と叫びながら走ってきてほしいが、今日は都合が悪かったよう だ。
 答え:「あ、御祝儀忘れた!」「じゃあ地球よってく?」「いいねえ!」ラララ・・・ (中村)


1997年7月11日

「除草剤と雑草」

今日は大雨になりそうなので除草剤もまけず、たいした仕事がない。まあ基本的には「晴耕雨読」が 自然にそった生き方で自分好みである。なんでも、農業をやる人は哲学人が多いらしい。自分もそう。 雑草や害虫にも、なにか存在意義があるはずだ、ということを考えながらも、それと矛盾した仕事を することもある。うちは除草剤はあまりまかないほうで、一番草だらけの田んぼが目印になってるが、 あまり草だらけだと害虫や病気のもとになったりして、近所の田んぼにも迷惑が及ぶのですぐに完全 無農薬というわけにはいかない。
田んぼの仕事というのは、ほとんど雑草との戦いの歴史だそうな。イネ科の雑草は水があっても平気 で生えるし、稲刈りの障害となる。あぜ道の雑草はたくましく、刈っても、薬をまいても、すぐはえ る。うちの田んぼは400枚ぐらいあって、この前草刈り機を使って一周したが、最初に刈った所は もうだいぶはえている。今度はそこに除草剤をまいていくのだが、まああまり気持ちの良い仕事では ない。みなさんもつるつるのあぜ道を見たことがあるかもしれないが、それは除草剤がよくきいてい るからである。草もはえない、虫もいない田んぼというのは土が死んでいるわけである。お金をかけ て、危険な思いをしてまで、大地を傷つけなければいけないのか?
しかし、稲刈りの時期に草刈 りなどできるはずもなく、今のうちに薬で押さえつけておく必要がある。それは「安さ」との引き換 えなのである。自然にも浄化作用はあるから、適度なバランスなら問題はないかもしれないし、うち の田んぼは手が回らなくてうまくいってるような気もするが、矛盾しないにこしたことはない。雑草 との共存という考えは間違ってるのか?アスファルトのすきまからはえる雑草のたくましさに、自分 はなにか強烈な「訴え」を感じるのだが、みなさんはどう思われます?
(中村)


1997年7月10日

「新入り登場!」

さて、今日から社長が出張なので、新入社員の私・中村善行がこのページを担当します。
簡単に自己紹介をすると、大学では情報科学が専門で、もともとコンピュータが得意だったので、こ のような作業には抵抗がない。大学には長い間いて、いろいろと勉強したり、思索にふけったりする うちに、世の中で一番大切な職業は農業だと考え、この会社にたどりついた。肩書きは銀河系支部長 で、「新しい生命と文明の探索」が主たる任務だが、(ウソ)最近はNASAに代行してやらせてい て、自分は田んぼで草取りである。(なんだこのギャップは)
今日も直播きの田んぼで草取りを していたが、やっと「ヒエ」と「イネ」の区別がつくようになってきた。素人にはイネを摘み取って いるようにしか見えない仕事である。
午後は社命で、講演会に行ってきた。講師はローヤル社長、 鍵山秀三郎氏。イエローハットの、掃除好きな社長、といえば、知っている人もいるだろうか。 「身の回りが汚れていれば心もすさむ。街をきれいにしたいし、社員も素晴らしい人格の持ち主にな ってほしい」ということで、最初は一人で黙々と掃除をし、今では社員全員で、毎朝、会社の近所ま でも掃除するようになった。1年間に40回ほど、学校や駅のトイレなどへ掃除に行く珍しい「社長」 だが、進学率が高い学校ほど汚かったそうな。「丁寧に掃除をすれば、人に優しい、穏やかな人物に なれる」と言っておられた。たしかに、思いやりがなければきれいな掃除はできまい。勉強以外の時 間を惜しむ受験戦争とは正反対である。
自分も一人暮らしを始めて3ヶ月。心がすさむ前に部屋 の掃除をしよう。
(中村)