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       林さんちのあぐらぐち物語 2001年 葉月8号
         http://www.hayashisanchi.co.jp

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 このメールマガジンは、林さんちの大切なお客様と、ホームページをみて
 林さんちに興味をもっていただいたお客様にお送りしています。

_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/葉月8号主な内容 _/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/

1. 巻頭言
  ...今が勝負時
2.大豆の話し
3.水の話し
4.林さんちの田んぼの様子
  ...肥料散布終了
  ...農薬散布しないぞー
6.林さんちのホームページ file://☆ 新情報 file://☆
  ...いろいろリニューアルかも、、、

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●巻頭言です m(_ _)m
 毎日暑い日が、続いていますが、わが家は、周りが田んぼで囲まれているので、そ
んなに殺人的な暑さではありません。それでも、7月中旬から続いた、肥料散布、草
刈りは、結構こたえました。天気が良いと、沢山肥料をやった方が、お米がとれるの
ですが、その分美味しくなくなるので、煩悩との格闘もあって大変です。もちろん、
林さんちは、最初のコンセプト通りの肥料量で、済ませました。あとは、稲自身の生
命力に任せて美味しく仕上がる事を祈っています。
 あと、もう一つ大切な事が、水です。去年胴割れ米と言って、割れたお米が出来て
しまった苦い経験から、昨年暮れ、最後まで刈れ上がらない効果があると言われる鉄
分を含んだ、ケイカル鉄を150キロ散布しましたが、なんと言っても、最後は水管
理です。今回は、その水の感動のお話もあります。

「あぐらぐち」とは、我が社の志高きプロバイダー氏が、名付けた、
「ホームページといういろりばたで、あぐらをかいて、話でもしまいけ」と
いう意味で名付けられました。
妙ですが、オリジナリティーがあって、私は気に入っています。

●大豆のお話
○ 林さんちのお豆は、オヘソが白い。
 林さんちでは、エンレイと言う品種の大豆を作っています。「艶麗」と書くそうで
すが、書いて字の如く、実に優雅な白い豆で、世界中の豆の多くが、色付きなのに比
べ、ヘソまで白い豆は、非常に珍しいのです。しかも、滋賀県、福井県、石川県、富
山県あたりが主産地です。見た目が綺麗なので、煮豆等に向いているようです。林さ
んちでも、1キロ350円(税込)という大変お求めやすい価格で販売していますの
で、ぜひご賞味下さい。あと、これを使っての手作り豆腐、味噌は、絶品ですので、
お試しください。作り方はこちら。
http://www.hayashisanchi.co.jp/mame.html

○林さんちのお豆は、殺虫殺菌剤を散布していません。
 林さんちでは、種豆に、紫斑病対策の薬と、鳥害防止の為に赤色に染色をします。
紫斑病とは、ウイルス性の豆が紫色になる病気です。芽が出てからは一切農薬を使わ
ないので、最低限の処理です。赤色に染色するのは、双葉が出た時に一番食べられる
ので、ヘビの眼か何かに擬態させてのことだと思いますが、効果の程は分かりませ
ん。順調に出芽している事を見ると効果があるのでしょう。それより、地域の種まき
が済んでから、まき始めると食べられないようですね。つまり、周りの豆でお腹がふ
くれるからじゃないかな。
 
○ なぜ、林さんちで大豆
 大豆栽培は、かれこれ20年近くしていますが、キッカケは、米余りによる転作作
物奨励からです。だから、当時は、大麦、大豆、キウイ、ジャガイモ、ハクサイ、と
色々な物を栽培していたので、大豆も粗放的な栽培で、あまり上手く作れませんでし
た。ところが、大豆を作ると、根っこに付く、根粒菌と言われる特殊な粒に栄養がた
まり、地力が増し、林さんちのように堆肥を撒けない田んぼには、とても効果がある
ことが分かりました。
 そして、今では大豆だけは、田んぼをローテションしながら作り続けています。国
産大豆は、今でも足りないので国で奨励されていますが、それには関わり無く栽培を
続けています。ちなみに、平成6年は、米不足で大豆は作らなくて良いと言われまし
たが、しっかり作っていました。
 国に奨励されると言う事は、補助金が下りるという言うことで、農業地域で大豆を
大面積作ると、10アール当たり7万円!もらえます。林さんちのような、都市部で
は0円〜7000円もらっています。まあ、余り関係ないけど、どうしても付いてく
るのでもらっていると言う程度のものです。

○ 豆まきは、難しい
今では、大豆一本で、がんばっていますので、一度綺麗にトラクターで、起した田ん
ぼに、さらにユックリと専用播種機で、まいていきます。これが、1センチ位の深さ
で均等にしなくてはならないのですが、今のところ、これが出来るのは専務だけで
す。以前、私がまいた時は、まばらに芽が出てしまい、それからはさせてもらえませ
ん。

○ なぜ、林さんちで大豆(自給率編)
 なぜ、国が奨励してまで国産大豆を作るかと言うと、自給率の問題です。日本人の
食卓には、大豆は欠かせられない穀物です。え〜大豆なんて、滅多に食べないよと言
われるのは、素人です。豆腐、あぶらげ、しょうゆ、味噌、ソース、油は、大豆が原
料に使われています。
 その問題の自給率は、なんと4%です。多くが、アメリカから輸入されています。
ところが、食卓で直接食べるものは、18%に上がります。これは、何を意味する
か。昔は、豆は、田んぼのあぜに植えられていました。それで十分だったのです。先
月のメルマガを復習しましょう。
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お肉の話 = 8:6:4 × 中国の人達―2食→3食 =12倍
 この方程式分かります。実は、牛肉1キロ作るのに飼料が8キロ、豚肉1キロは、
飼料が6キロ、鶏肉は4キロ必要です。だから、牛肉が美味しい訳は、ここにあるわ
けです。食物を8倍も使って作るわけですからね。そして、最近中国が発展してきて
いますが、と同時にこれまでの菜食から肉食に移行して来ています。しかも、今まで
の2食から3食になっています。すると、畑が12倍必要になると言う事なんです。
そうなると、中国は自国の食糧で手一杯になるはず。いつまでも、輸入野菜に、頼っ
ていて良いのでしょうか?

○ 1200万ヘクタールのうち500万ヘクタールとは? コンビニの60%?
もう一つオマケ。1年間で、日本人が食す畑や田んぼの面積は、1200万ヘクター
ル。うち自国の面積は500万ヘクタールしかないんです。さらに、うち500万ヘ
クタール分は、ゴミへ。しかも、そのゴミのうち60%がコンビニから出ると言う話
です。どう思います、これ。
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 つまり、自給率を下げる原因は、肉食、外食、コンビニ中心の食事にあるのです。
さて、なぜでしょう。正解は、「油」です。輸入大豆の多くが、この肉食、外食、コ
ンビニの調理の油で使用されています。だから、直接食べる大豆だと自給率は上がる
のです。そして、その油で作った調理の多くが捨てられれば、どれだけがんばって
も、自給率は上がるわけありません。
 多くの国産作物の自給率を語る時、この肉食とゴミの分を考えないと、正確な数字
とは言えません。林さんちでは、身土不二=住んでいるところ16キロ四方の物を食
べていれば幸せになれる(中国のことわざ)を提唱していますが、皆さんも、生活を
少し見直して見ればと思います。

○ 遺伝子組替大豆って、何?
 アメリカの大きな農薬会社が、ラウンドアップと言う除草剤だけには、枯れない遺
伝子を組み込んだものです。最近は、騒がれたので、代って高度なバイオテクノロ
ジーで、除草剤に強い品種を育成して栽培しています。とことんですね。でも、ビー
ルに使う麦も、トウモロコシも、ジャガイモも、色んな遺伝子組替で、作られていま
す。良く表示を見て買わなきゃね。ちなみに、エビスビールだけは、遺伝子組替麦
使ってないので高いの知ってた。

○ 日本でも、、、
 アメリカを、ボロクソに言っていますが、実は、日本でも志低き人はいるもので、
大豆が枯れない程度に、豆が出来てから除草剤を薄く散布するのです。これには、訳
があって、大豆と一緒に雑草を刈ると、その青い汁が豆に付いて、等級が落ちるから
です。電車の窓から、ふと刈取り前の大豆畑を見て、愕然としました。枯れ色が、自
然でないのです。皆さんも、10月ごろ豆畑を見られたらどうでしょうか?分かるか
な。

○ 最後に
 去年産の大豆が、水分がわずかに高くて、農協に出荷出来ませんでした。他の地域
では、補助金で立派な乾燥施設がありますが、わが社は扇風機!でやっているので、
ちょっと乾燥不足だったようです。そして困り切った上での、直売でしたが、おかげ
様で全量とは行きませんが、予想以上に売れて、ホッとしています。せっかく、あま
り農薬を使わないで作っても、上記のような豆と、混ぜられるならがんばって全量売
りたいですね。

○次回は、「究極!市街地稲刈り」です。

●水のお話
 各地で、水不足が叫ばれていますが、わが地域はあぜが壊れるほどの水が、用水を
流れています。これも、100年ほど前、七カ用水と言って、暴れ川「手取川」の水
を農業に利用しようとした偉い方が、私財を投げ打って人力で岩盤にトンネルを掘っ
て作ったものです。以下資料の抜粋です。
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 枝 権兵衛は、文化6年(1809年)坂尻村(今の鶴来町坂尻)の村一番の農
家に生まれました。18才で村の組合頭に、46才で肝煎(村長)に選ばれました。
また、村を流れる富樫用水の管理も任されていたので村人たちがどんな願いを持って
いるかもよく知っていました。権兵衛は、「川の水が減っても水が取り入れられ、洪
水になってもだいじょうぶな取り入れ口はないものだろうか。」とひまをみつけて
は、手取川の川筋を、さがし回りました。そして、ようやく取り入れ口にもっともふ
さわしい場所を見つけたのです。
 安久涛の渕は、今までの取り入れ口より1qほど上流にあり、日でりがつづいても
まんまんと水をたたえている所です。しかし、九重塔までの240mは、硬い岩をく
りぬいてトンネルにし、鶴来までは800mの掘り割りを作るという大工事になりま
す。小山良左衛門という武士の助けで、加賀藩から許しをもらい、1865年から工
事を始めました。大勢の村人や人夫を集めましたが、今のように機械もなくつるはし
とのみだけで掘り進むのですから、工事はなかなかはかどりませんでした。
 そのうち、用水ぞいの村々では、「工事をするとたたりがある。」「権兵衛は金も
うけのためにやっている。」という、噂が広がりました。また、雇われた人夫たち
は、あまりにつらい工事のため「もっとお金をだしてほしい。」と騒ぎ、工事が出来
ないようになりました。
 それでも、権兵衛はくじけませんでした。村の人々に工事の大切さを説いてまわ
り、工事の先頭に立って働き続けました。また、自分の財産を投げ打って費用の足し
にしました。こうして、とうとう明治2年5月、工事を始めて5年目にやっと完成し
たのです。
(文は、小松市教育研究所編集の4年社会科資料集「わたしたちの石川」からの引用
です。)http://www.incl.ne.jp/~hottafam/tsurugi/shichi.html

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 おそらく日本でも最強の農業用水と言っても良いでしょう。だから、テレビで、渇
水が報じられるたびに、七カ用水に、先人達の苦労に頭が下がります。林さんちで
は、例え都市化の波が来ようと、都市部の棚田として残す努力を続けています。それ
が、権兵衛の遺志に報いる事だと思っています。

●林さんちの長年のお客様より、玄米の値下げと白米の紙袋変更について説明
があった方がよいと指摘がありました。今回、現在分かり得る全てをHPに載せてあ
ります。JAS法の表示についても書かれています。
http://www.hayashisanchi.co.jp/cargopro/syosai.html


●林さんちの田んぼの様子

○肥料散布
 普通じゃないコシヒカリとカグラモチ合わせて、13ヘクタール分肥料を散布しま
した。がんばったのですが、事件も発生。出費の多い肥料散布でした。
参照7月23日http://www.hayashisanchi.co.jp/agura.html

○ 農薬散布しないぞー!
 最近、新聞紙上に「カメムシ大発生、例年の11倍!」なんて載るものだから、大
変です。カメムシも、あれだけ消毒していなくならないものを、消毒する必要がある
のかといつも思うのです。ホタルは、1回でいなくなったそうです。1000匹中1
匹残れば、そのスーパーカメムシは、次の世代で1000倍に。さらに、その100
0匹中1匹がのこれば、スーパースーパーカメムシが、残る。さらに1000匹中1
匹が、、、切りが無い。
 農協も、流通も、生活者も、少しの斑点は「良し」とすればどれだけの生態系が残
るか計り知れません。そして、今日も電話がかかってきます。「林さん、カメムシ警
報出ているけど、消毒してくれんけ」「いやあ〜、消毒の機械が壊れましてね、うち
もやってないんです。済みません」「そんなら、仕方ないわな」
 でも、地域の生産組合からも圧力が、、、果たして耐えられるか林さんち。
応援メールよろしくお願いします。
 
●林さんちのホームページ 新情報  (^_-)-☆

  ...いろいろリニューアル
林さんちのコイン精米機物語、カード決済、コンビニ決済、NEC−Emycas
h,商品画像入れ替えの予定でしたが、全部間に合いませんでしたm(__)m
やってみると、結構時間のかかるものですね。

でもメルマガ読者には、こっそりテスト画面ですが、お教えします。これも、全面リ
ニュール予定です。
http://www.karatsu.ne.jp/coin/

それでは、またのご訪問を、
スタッフ一同心よりお待ち申し上げております。

敬白

なお、「こんなメールマガジンいらないよ」
「HPの日記読んでるからいらないよ」と言う方は、
そのまま送り返しください。こちらで、リストから、外します。

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