林さんちの楽しい社長日記「あぐらぐち物語」
2016年03月24日
お笑い系百姓の生活・農業

発芽率の高い種籾の作り方とは・林さんちのハウスドアの取り付けは時間がかかります

 安全安心の米つくりに欠かせない作業「シャブシャブ」とは?

 種籾の浸水が始まってからは、私は作業カレンダーと睨めっこです。というのもエコホープでの消毒が終わる24~48時間の間に大事な作業があるからです。それは「シャブシャブ」、、林さんち独特の名前ですが要するに種籾をもみ洗いしてあげることです。種籾には、雑菌とアブシジン酸と呼ばれる発芽阻害物質が付着しています。この二つを洗い流す必要があるのです。15年前に化学合成農薬での消毒を止めようと決めてからその5年後にエコホープが開発されるまでの間は、本当に大変な苦労をしました。あの有名なHB101が消毒に効くと聞いて使ってみたり「超酸性水」を作る高額な機械を購入して使ってみたりしましたがどれも撃沈。発芽率が著しく落ちてしまい酷い苗を作っていました。あの頃の田植えは、本当に辛かったです。しかも苗が悪いと生育も悪い。負のスパイラルに突入していました。まずは、化学合成農薬を使わないと雑菌の繁殖が起きます。この雑菌で種籾の浸水水槽はネバネバになって来て臭い匂いもします。このネバネバが付いた種籾は、種まき機に詰まってしまい上手く播けません。そこで最初は、このネバネバをとにかく落としたくてせっせと種籾を洗うようになったのです。ところがこの「シャブシャブ」を行うことによって発芽率が向上し始めたのです。そこで普及所の担当者に診てもらったら「それは発芽阻害物質を洗い流したからです」と初めて聞きました。化学合成農薬を使っていれば雑菌も繁殖しないので種籾は時々水替えしてずっと浸水水槽に入れたまま放置でした。確かにネバネバはありませんが発芽率は、大昔から林家の苗は、良くありませんでした。だから多めに播種するので高価な種籾をたくさん購入。さらに発芽しないので芽出しの温度を高くしていたので逆に芽が焼けてしまい出ない。芽が出ないということは、根も出ていないので田植えの時に苗の消費が激しくて大量に使う。どんどんと悪い方向にずっと行っていましたがそれが当たり前になっていたのです。その原因が化学合成農薬のカーテンに遮られて分からなかったのです。ところがそれを止めてみて初めて分かった発芽率の悪い原因でした。それからと言うものせっせとシャブシャブと洗うようになりました。効果は抜群で、出芽を促す「催芽作業」もすぐに芽揃いするようになりました。種まきもネバネバが無いので精度が上がって綺麗に播けます。精度が上がったので種籾の無駄も無くなりました。その後の芽出しもそんなに温度を上げずに綺麗に出るので育苗ハウスに入れてからの管理が楽になりました。さらに芽も出れば根もしっかりしているので田植えで苗の使用数が減りました。根張りがしっかりしているので苗補給の扱いが楽になりました。苗がしっかりしているのでその後の生育の順調になりました。生育が順調なら美味しいお米になります。もう良いことだらけで昔の人は「苗半作」とよく言ったものです。まだまだ春とはいえ寒いので辛い作業ですがみんなで「今日はシャブシャブの日」と言って楽しんで頑張っています。そんなシャブシャブ動画をどうぞ。「良く芽が出る種籾の作り方とは・発芽阻害物質アブシジン酸をシャブシャブがポイント。2016」動画

エコホープ消毒終了、、次の作業が大事です
エコホープ

 今日は、朝から雨や雪が降る寒い日なので田んぼには、出ずにハウスのドアを取り付けました。このドアは、ハウスに軽トラックを乗り入れるためにかなりの大型です。おかげでハウスを張ってからレールを取り付けるタイプになっているので大変です。ハウス張りの前にドアレールを外しておいて張ってから再度取り付けるという二度手間になっています。でも上手に付けないとドアが開きにくかったり外れたりするので12棟のハウスドアを半日以上かかって取り付けます。今年は、果たして上手く付けてくれたでしょうか(o^-^o)

ハウスドアの取り付け、、上手く付けてね
ハウスドア