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林さんちのあぐらぐち物語 2001年 文月 号外
http://www.hayashisanchi.co.jp
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このメールマガジンは、林さんちの大切なお客様と、ホームページをみて
林さんちに興味をもっていただいたお客様にお送りしています。
_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/文月号外 主な内容 _/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/
林さんちのお客様から、林さんちで今売られている「普通のコシヒカリ」ってどん
なお米?という問い合わせがありました。
確かにホームページでは特に説明していませんでしたので、改めてご案内さしあげ
ることにいたします。
○ より、多くの方に
林さんちの普通のコシヒカリは、殺虫殺菌剤を散布しないのが、普通ですが、一般
のお米は、私から言えば、異常なコシヒカリです。ところが、この異常なコシヒカリ
は見てくれが綺麗なため、普通のコシヒカリは、ややもすれば安い価格で農協等に引
き取られて行きます。
それが、我慢ならず店頭販売も始めましたが、それでも全量は無理です。インター
ネットでの販売強化を考え始めたのも、この異常なコシヒカリの氾濫の中、より多く
の方に、ぜひ普通のコシヒカリを食べて欲しかったからです。
それでは、ご説明を。
「普通のコシヒカリ」は、「普通じゃないコシヒカリ」と、どこが違うかと言うと、
肥料が「化学肥料」か「有機肥料」かの違いです。
なんだ、本当に普通なんだなと思われる方も、いらっしゃる方もおいでと思います
が、林さんちの「普通」とは。
1、「珪酸カルシュウム鉄」を年末300坪当たり150キロ散布。
2、除草剤は、1回〜2回散布。
3、肥料は、慣行の3割減使用。
4、殺虫殺菌剤は、一切使用しない。
1、については、林さんちのあぐらメルマガ5号より抜粋
http://www.hayashisanchi.co.jp/mail/mail2.html
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○ ケイカル=珪酸カルシュウム
皆さん、土ってどんなものか知ってますか?基本的に、珪酸が、アルミナ
をサンドイッチした形だそうです。ところが、この珪酸いわゆるケイ素は、
植物の体を作るのに不可欠で、化学肥料だけだと、どんどん減って行くのです。
そこで、いわゆるケイカルという、なんだが単なる汚い土みたいなものを秋
に田んぼに150キロ〜200キロ入れます。これを入れると、稲の表面に
ケイ素の膜、つまりケイ素はガラス質ですから、硬い鎧を着たような効果が
出ます。ただ、その効果は、肥料のように目に見えるわけでなく、さらに
すぐに効果があるわけでもありません。
ただ、前述の先生の農薬を減らしたいと相談したところ、ケイカル散布を
勧められました。これだけの量を、細かい田んぼに散布するのは、至難の技
ですが、殺虫殺菌剤をまかないで済むというのと、かの魚沼産コシヒカリが
なぜ美味しくなったかというと、病気多発地帯の魚沼で、ケイカルをまき続
けた事と知り、がんばりました。
都市部での、稲作は、せっかく時間をかけて土作りをしても、地主さんが
簡単に売ってしまい住宅やアパートになってしまいます。それでも、この
ケイカル散布だけは、続けています。その思いが、きっと林さんちのお米の
味に繋がっているんだと信じています。
ちなみに鉄は、去年の胴割れ米の経験を生かし、根っこが健全に育つと言われ加えま
した。暑くなっても水分を吸収出来れば、お米は割れないのです。
2、については、田植え時に同時散布で、除草剤を300坪当たり1キロ散布しま
す。その後、草のひどいところは、2回目の薬剤散布を行います。あとは、ひたすら
手で取る作業が、夏まで続きます。
3、4、については、慣行の肥料体系というのは、多収を考えたもので、ここの野々
市町では、チッソ成分9キロが普通です。林さんちでは、これを3割減らし6キロに
設定。これと珪酸カルシュームの相乗効果で、硬い稲体が出来、殺虫殺菌剤を散布し
なくて大丈夫になりました。収量も、これらの土づくりのおかげで、1割減位で済ん
でいます。
逆に言えば、この1割を増やすために、多く肥料をまいて病気になるので、農薬を
まくという悪循環なのです。
林さんちでも、昔は毎日、肥料散布と農薬散布の毎日でした。少し考えを変えるだ
けで、肥料代、農薬代は浮くし、夏の暑い時期大変な思いをして重い散布機を担がな
くて済みます。一番、良かったのは、農薬散布は、一番作業をする自分がツライの
で、ずいぶん楽になりました。
○なぜ化学肥料を、散布するのか?
有機肥料の田んぼは、林さんちでは、長く田んぼが出来る地域に限定されます。し
かし、残念ながら、ほとんどの田んぼが、地主さんの都合や、町の開発で、いつ建物
が建ったり駐車場になっても不思議でない状況です。
しかし、都市部の棚田を守ろうと、林さんでは考えており、ギリギリの選択の中で
の、化学肥料であります。有機肥料栽培、無農薬栽培は、誰が見ても素晴らしいお米
です。しかしながら、これら高級米だけでは日本の農地は無くなって行くだけです。
林さんちの普通のコシヒカリの考えを広めて、近隣の農地を守る事が、林さんちの使
命とも考えています。
○ 最後に、嬉しい話です。
林さんちが殺虫殺菌剤を散布しなくなったのを見て、近隣の農家も散布を止めまし
た。おかげで、ホタルも少しづつ出てきました。子供の頃のように乱舞する姿を見た
いものですね。
これからも「林さんちのお米とおもち」についての質問をどんどんお寄せ下さい。
それでは、時節柄、ご自愛ください。
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