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       林さんちのあぐらぐち物語 2003年 葉月8号
         http://www.hayashisanchi.co.jp

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 このメールマガジンは、林さんちの大切なお客様と、ホームページをみて
   林さんちに興味をもっていただいたお客様にお送りしています。
   
_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/ 葉月8号 _/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/

1. 巻頭言
  ...冷夏?

2.「農薬散布を止めて夫婦円満」
  ...穂の赤ちゃん
  ...フジカラーと葉の色
  ...農家の子供が農業をしない訳
  ...問題無し

3.林さんちの田んぼの様子
  ...穂が出てきますが
  ...稲刈り準備急ピッチ

4.最近のスタッフの様子
  ... 8月は後半が全て

5.林さんちのホームページ //☆ 新情報 //☆

  ... ハナエチゼンの販売促進
  ... トップページのリニューアル
  ... お客様用掲示板設置

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●巻頭言です m(_ _)m
 
 梅雨がなかなか明けず、穂の赤ちゃんに肥料をやろうにも、一向に成長しない
ので、ジリジリしていました。結局例年より1週間〜10日遅れての散布になり
まいた。しかも梅雨明けと言うには、余りにもお粗末な夏。あのギラギラ太陽は、
どこに行ったんでしょう?平成5年のあの悪夢が蘇り、涼しいにも関わらず、寝
つきの悪い日々です。

「農薬散布を止めて夫婦円満」

○ お米の花の赤ちゃん
 
 7月後半から、稲の株元に、穂の赤ちゃんが出来ます。幼穂(ようすい)と呼
ばれるものですが、正確には、花が咲いて受粉し初めて穂の赤ちゃんが出来るの
で、お米の花の赤ちゃんですね。お米に花があったの?と思われる方も多いと思
いますが、実をつける以上花はあります。お米の花とは、青い籾殻が花のように
開いて、中のメシベとオシベが自己受粉するほんの短い時間に存在します。朝早
くに咲いてしまうので、我々が良く目にするのは、青い籾殻にオシベが挟まった
状態です。この幼穂は、出来た時にはすでに、ミニミニ穂で、米粒の数も決定し
ています。だから、この時期に稲は、それまでの天気、土の状態を見て、「このぐ
らい子供を残してもちゃんと育つだろう」という予測のもとに、穂を作るのです。
だから、夏に大きくなってから、一生懸命世話をしても、出来る米粒の数は、決
定しているので、それを太らすことしか出来ないのです。でも、自然の力に比べ
微力ながらこの太らす作業を「穂肥え散布」と言って百姓にとっては、一番大切
な仕事なんです。
 
  
○ フジカラーと葉の色

 品種によって違いますが、この幼穂が、1センチ前後の時に、穂肥え散布をす
ると米粒が太ります。散布が早過ぎると、お米粒に栄養が行かず、稲の茎が伸び
て倒れます。遅過ぎると、やはり米粒に栄養が行かず太らず、青いまま粒のまま
ズルズルと収穫期を迎えてしまいます。
 この幼穂の長さを見て、肥料を散布する方法の他に、稲の葉の色を見る方法が
あります。なぜか株式会社フジカラー製の葉色版という器具があり、薄い緑から
濃い緑まで番号が付けられカラースケールになっています。この葉色が、例えば
4になったら散布しなさいとか、今は5.5で濃いので散布量は控えて下さいとい
う風に使います。プロジェクトXでやっていましたが、かつてコシヒカリがどう
しても倒れてしまい困っていた時に、フジカラーで使っていたカラースケールが
非常に有効であることから、始まった方法だと言われています。そんなことを知
らない私は、なんでフィルム会社製なんだ?と思いながらも使っていました。
 つまり葉の色が薄いと稲に養分が少ない状態で、色が濃いと養分が多い状態を
指します。色が適度に薄くて、幼穂が適度な長さの時に、穂肥えをやると、バッ
チリ米粒が太ります。しかし、今年のような冷夏だと、葉色が濃いし、幼穂は短
いままだし、一体いつになったら穂肥えやれるんでしょ?

○ 農家の子供が農業をしない訳
 
 世の中、空前の農業ブームで、農外からはドンドン、就農していますが、肝心
な農家の子供は農業をしたがりません。それはズバリ、親の背中を見ているから
です。どう見て楽しそうに農作業をやらない、まあ仕事だから楽しいばかりじゃ
ないけど、おまえにはこんな苦労は、させたくないと言って、他の仕事をさせた
がる。
 子供の頃から、一番嫌な仕事は、農薬散布でした。背負式動力散布機で、長い
ホースで農薬を散布するのです。大体、父親が機械を担ぎ、母親がホースの端を
持つ。私は、軽トラの運転をして、散布する田んぼを先回りして、農薬を補充す
るのが役目でした。大体、昔の百姓の子供は小学校高学年であれば、運転が出来
ました。
 ところが多くの場合、当時の農薬は粉剤でしたが、風が少しでもあると、ホー
スが曲がったり上がったりして上手く散布出来ず、しかも機械は重いし、うるさ
いし、薬は臭くて苦しいし、父親の方もイライラしてきて、どなり散らすけど、
声は聞こえないしで、状況は悪くなるばかり。しかも、当時は、これを夏に3回
やっていました。農薬散布の他にも、肥料散布もあるしで、毎日がこんな状態。
子供ながらに、絶対に百姓なんてするものかと思うのは、当たり前ですね。しか
し、何を間違えたか、今、百姓をするようになっているのですから不思議なもの
です。

○ 問題無し

 そんな私も就農当時は、相変わらず農薬散布を盛大に、毎日やっていました。
ところが、住宅地での農薬散布は困難を極め、少しでも風があると中止、洗濯物
が出ていると中止、と大変でした。しかも農薬を散布した晩は、ビールを飲むと
吐き気までして、やっぱり嫌だなあと思い思い作業をしていました。
 ところが、10年ほど前から、ケイカルをまいて土作りをして肥料は少なめに
すると、丈夫な稲体で、病気にやられず美味しいお米が出来ると、ある先生に言
われ、それを実行しました。最初は、恐る恐るで、やばそうな所へは、やはり農
薬を散布していました。そのうち大丈夫と自信がついてきたので、全面、夏の農
薬散布を中止しました。ところが、それで黙っていられないのが、年配者の皆さ
ん。周りで盛大に、散布しているのに、うちだけが散布しないのが耐えられない
のです。そんな時は、「いやあ、今日は風が強いし、、、」「今日は、二日酔いで頭
が、、、」
と言ってチャーミングにごまかしながら、時期の過ぎるのを待ちます。
 結局、散布する時期を逸してしまい、「いやあ、スマンスマン」と言うことにな
ります。でも、土作りと肥料の調節で、まったく病気にもかからず、虫にもあま
り食べられないことが分かると、最近では、それが当たり前になって問題無しで
す。しかも、近隣の農家も「林さんちで、大丈夫なら」と言うことで、一斉に散
布をしなくなりました。おかげで、近隣市町村でも、極めて珍しい農薬散布をし
ない地域になっています。
 おかげで、若い社員は、そんな辛いことがあったことすら、知らずに爽やかに
仕事が出来ています。農家の子供達も、これできっと、跡を継いでくれるでしょ
う。

次回「冷夏VS林さんち」

● 林さんちの田んぼの様子

○ 穂が出てきますが
 
 早生品種のハナエチゼンは、とっくの昔に穂が出ています。7月初めの調査で
は、お盆過ぎに稲刈り予定でしたが、どうもそうは行かないようですね。ひとめ
ぼれに至っては、まったく変化なし。一刻も早い、夏の到来を待っています。

○ 稲刈り準備急ピッチ

 冷夏と言っても、稲刈りの準備は、しなくていけません。専務が、今年は籾摺
りのシステムをシンプルにしたいとのことで、最新型の選別機と袋詰めの機械が
一体式になったものを導入しました。あと、もみがらを排出装置を大型化、粉塵
が飛ばないように考えています。これらの、地道な改善が利益を生む、林さんち
の基幹部分です。

●最近のスタッフの様子

社長=8月後半に、大規模な白山登山を計画中、山登りします。

専務=ライスセンター改造、コンバイン整備に忙しいです。
 
中村=肥料散布を、社長といっしょに行います。

あんち=草取りも、もう終了。秋の準備にかかります。

●林さんちのホームページ 新情報  (^_-)-☆

○ ハナエチゼンの販売促進の予定

 今秋からの目玉商品に、ハナエチゼンを据えます。こだわりを持って栽培して
きたハナエチゼンも、市場評価の低さに甘んじていましたが、林さんちのモノは
違うことをアピール。価格もお手頃のハナエチゼンをぜひご賞味ください。

○ トップページのリニューアルの予定

 長い間、親しまれて来た、林さんちのトップページのデザインを変更します。
より通販Webサイトの雰囲気と使い勝手の向上が目的です。色々とご意見くだ
さい。

○ お客様用掲示板設置の予定

 超反省しているのすが、今までの掲示板は、身内専用と言っても過言ではあり
ませんでした。そこで、それとは別に、お客様専用掲示板を設置、色んな感想質
問をドンドンお寄せください。

敬白
「あぐらぐち」とは、我が社の志高きプロバイダー氏が、名付けた、
「ホームページといういろりばたで、あぐらをかいて、話でもしまいけ」と
いう意味で名付けられました。
妙ですが、オリジナリティーがあって、私は気に入っています。

なお、「こんなメールマガジンいらないよ」
「HPの日記読んでるからいらないよ」と言う方は、
そのまま送り返しください。こちらで、リストから、外します。

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