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     林さんちのあぐらぐち物語 2004年 霜月4号
       http://www.hayashisanchi.co.jp

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 このメールマガジンは、林さんちの大切なお客様と、ホームページをみて
   林さんちに興味をもっていただいたお客様にお送りしています。
   
_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/   霜月4号  _/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/

1. 巻頭言

大豆の選別袋詰めが終了。これで、仕事は餅つきのみとなった。生産資材や
スタッフの段取りをしている今が、社長の自分にはキツイ。計画して始まって
しまえば、あとはオートマチックで進むので、逆に楽になる。

2.今週の林さんち・・・・無利子当たり前

 11月は、小作料金、つまり地主さんへの地代の支払いと、制度融資資金の
返済がある。小作料金は、お金に関して言えば、小作料現物つまり年貢米との
相殺で、プラスマイナスゼロになるので、負担感は無いが、資金の返済となる
とそうはいかない。
 農業関係の公的融資は、一般融資のように月々の返済ではなく、年に1回の
返済が普通。そして、作物が収穫されて、おおかた農協さんに出荷してお金が
入った11月30日が、その返済日にあてられている。16年前に、林さんち
も、法人化するにあたり、簿記を単式簿記から、複式簿記に変え、負債を全部
整理したら、出てくる出てくる借金の山。単式簿記、いわゆる青色申告では、
簡単な収入と経費しか帳面に現れないので、農家のオヤジは、借金がどれだけ
あるかなんて知らないのが普通でした。当時は、事業で儲けて税金払うくらい
なら、じいちゃんばあちゃんも含め、家族全員の給料を適当に上げて、源泉徴
収で払う方が得と言うのが、一般的な考えでした。だから、法人税を払って内
部留保して、キャッシュまたは一部キャッシュで、新しい農業機械を買うなん
て、考えもしませんでした。おかげで、農業機械が壊れるたびに、全額借金を
繰り返して行くわけですから、借用書の枚数がどんどん増えて行くのが、普通
でした。しかも、単式簿記には、負債額は出てこないので、その金額さえ知ら
ずにいることが、多かったのです。
 でも、当時は米価も高かったので、農協さんにお米を全部、出荷してお金が
たくさんあるうちに、借金を払ってしまえば、別に負債額がどうの、借用書の
枚数がどうのと、考えなくても良かったのです。しかも、行政では、微入り細
に入り、どんなパターンでも借りれるメニューを公的資金で用意しており、「
息子が百姓をするっちゅうので、トラクターを1台買おうと思うんやけど、適
当な資金ないけ?」てな調子でも、優秀な職員がちゃんと、農業後継者向け土
作り支援○○資金と言う補助金付きの融資を、用意してくれます。この場合、
無利子当たり前、3割補助普通、がんばれば5割補助と言う、夢のような資金
が目の前にぶら下がることになります。林さんちの社訓では、「補助金はモル
ヒネ、もらい過ぎるな」とありますが、まさしくこれで、モルヒネ中毒状態。
 結局、積もり積もった借用書の山を見て、当時の私は愕然としたものです。
そして、借りたはいいけど、米価が下がり、長期で借りて、機械が壊れて存在
しなくても残った借金を返し続けねばならない苦しさは、大変なものでした。
そこで、考えたのが無借金の経営にしようと言うことでした。しかし、無借金
の前にしたのが、やはり、現在の工場店舗の建設と金利の高い資金の借換えに
伴い、スーパーL資金と言う融資を6200万円、借りたことでした。この資
金は、利子補給が県や町からあり当時としては画期的な、利息2%でした。し
かし、これを借りるハードルは高く、経営計画書を自分で何度も書き直し、銀
行で、何度も指導されてようやく借りることが出来た、初めてのマトモ?な資
金でした。
 返済方法も、一般的な、ローン式、元金と利息を足して毎年均等に返済する
元利均等方式ではなく、元金を均等に割ってそれに利息がつく、元金均等払い
を選択しました。もちろん前者に比べ、元金の多い最初の頃は、利息も高く辛
いのですが、返済総額は、前者より少なくて済みます。今まで借りていた資金
のほとんどが、元利均等式で、いつまで経っても、返済金額が毎年変わらない
下手をすると買った機械は壊れて存在しないと言う悲劇を味わっていたので、
頑として元金均等払いを主張して譲りませんでした。
 そしてあっと言う間に10年。償還期限の半分が過ぎ、ようやく利息の負担
感も軽減されて来て、少し楽になりました。最近では、自己資本比率が40%
前後と高くなりました。これでも、決して経営は楽ではないのですが、これか
らの経営の武器にはなります。「念ずれば花開く」本気で念ずれば、借金の山
もなんとかなるものです、、\(^o^)/

3.社長の最大任務

 今の時期、社長の頭の中は、お正月餅の段取りで、一杯一杯になってきます。
まず、パンフレット、ダンボール、包装袋等々、時間のかかるものは、すでに
すいぶん前から、段取り済みです。よく、これらが足りないことが寸前に分か
って、大変な目に何度も会っています。次は、餅の材料、でんぷん粉、塩、黒
豆等々の発注。今年は、北海道産の黒豆が、林さんち同様不作で、手に入らず
苦慮しています。これらは、年末に、販売量が急に伸びて、足りなくなっても
業者さんが、お休みに入っていることがあり、油断のならない資材です。
 そしてもっとも、不安定要素が、スタッフの確保です。毎年来てくれている
バイトさんに、一人一人電話で確認しながら、出勤表を埋めて行きます。ただ
人数が確保できればと言うものではなく、体力能力に、合わせて人選して行か
ねばならない。しかも、経費的には、ギリギリの人数で行きたい。ところが、
年末の超ハードな最中、体調を崩したり、突然なんの連絡もなく、来なくなる
バイト君もいたりして、ある程度は、余裕が欲しい。そのせめぎ合いの中、悩
みながら、お願いして行きます。
 次は、販売計画、生産計画、直売、ネット、スーパーの販売量を予測、そし
て生産計画を、なるべく生産現場に、負担にならないように、同一商品を連続
して生産してもらうために、一発解答を出します。最後に、ちょこちょこと、
生産数の変更や追加をするのが、現場では一番、混乱する原因です。この一発
解答で、生産数量を出すことが、社長の最大の任務です。過去、何年にも渡る
データと曜日、天気をにらんで、ガツンと出すのですが、ここ数年は、かなり
の精度で、予測が出来ていると、自負しています。でも、そのために、どれだ
けの、気力を消耗することか。
 そうやって1ヶ月余りかけて準備したお餅は、年末ラスト3日間で、ほとん
ど飛び出して行きます。林さんちの、総売上げの20%、加工部門の売上げの
70%が、この3日間で計上されるのですから、さながら戦場の様相だと、容
易に想像出来るでしょう。さて、来週から、いよいよ戦闘開始です。

敬白
「あぐらぐち」とは、我が社の志高きプロバイダー氏が、名付けた、
「ホームページといういろりばたで、あぐらをかいて、話でもしまいけ」と
いう意味で名付けられました。
妙ですが、オリジナリティーがあって、私は気に入っています。
なお、「こんなメールマガジンいらないよ」
「HPの日記読んでるからいらないよ」と言う方は、
そのまま送り返しください。こちらで、リストから、外します。


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