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     林さんちのあぐらぐち物語 2005年 長月1号
       http://www.hayashisanchi.co.jp

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 このメールマガジンは、林さんちの大切なお客様と、ホームページをみて
   林さんちに興味をもっていただいたお客様にお送りしています。
   
_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/   長月1号   _/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/

1. 巻頭言

 「ひとめぼれ」7日、台風直前に刈り取った、「お得なコシヒカリ」と
「普通じゃないコシヒカリ」10日と新米の発売が続きます。なんとか、今
週中に検査して、上旬の発売に間に合いました。

  在庫メーター     空←――――――――――――――――→満 
超普通じゃないコシヒカリ ■■□□□□□□□□□□□□□□□□□□
普通じゃないコシヒカリ  □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
お得なコシヒカリ     ■□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
ハナエチゼン       ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
ひとめぼれ        ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
             詳しい数字は、メルマガの最後に

2.今週の林さんち・・・・ニュー林農産の模索

 最近、ショックなことが起きました。林さんちの田んぼがたくさんある地域
で、区画整理事業の話が持ち上がっているのです。 先々月に、町長が、それ
に対し前向きな発言をしたのを受け、一気に推進派が動いています。そんなこ
とすら、受託者は蚊帳の外。気付いたころには、色々と進んでいました。この
地域は、ここ数年苦労して話し合って、JAと協力して田んぼを、担い手で入
れ替えて集積。合理化した地域です。その努力が、水泡に帰すと同時に、林さ
んちの経営面積の大幅な減少を意味しています。以下に書くように、区画整理
事業は、そんなに簡単なことではありませんが、一度、始まるとその流れを止
めることは、困難です。
 林さんちの田んぼは、市街化地域と農業振興地域の両方にあります。この線
引きは、非常に明確で、市街化地域では、土地を売ったり買ったりは、自由で
す。農業振興地域では、誰でも、売ったり買ったりはダメです。それが可能な
のは、農業者だけで、しかも町の農業委員会の承認が必要です。だから、日本
に農地が、ちゃんと残されているのです。もし、自由に誰でも、どこでも売れ
るのであれば、すぐに虫食い状態に、建物が田んぼの真ん中に建つことになり
ます。
 しかし、残念ながら、林さんちのように収益を上げる農家ばかりではありま
せん。特に、日本のように食糧自給率が、先進国の中でも最低の国で、唯一国
産で、まかなえる食糧である「お米」も、ここのところの価格低迷で、その傾
向は、より強くなっています。そうなると、農家は何を考えるか「田んぼを売
りたい」と思うようになるのです。「娘が嫁に行く」「息子が車を買う」「家
を改装したい」等々、色々とお金の必要なことがあるとなおさらです。
 しかし、田んぼは、簡単には売れません。売る相手が農業者でないといけな
いのですが、多くの農業者も、土地を買えるだけの力はない。もし売れたとし
ても農地は宅地に比べると大変安い。すると、高く売る為には「道路や公共施
設で収用される」「宅地化して売る」の二通りしかありません。収用されると
譲渡所得税が免税されます。これは、30%前後の税率なので、例え安い農地
であっても、かなり手元に残ります。だから、地域の議員さんの中には、田ん
ぼの真ん中に大きな道路を作ったり、公共施設を誘致するのに、せっせと精を
出す人が多いのです。そうやって、どうでも良い道路が、田んぼの中に突然と
現れるのです。
 そしてもう一つの「宅地化して売る」の場合は、まず農業振興地域を外して
区画整理事業をしなくてはいけません。そのためには、地域の合意を得て、町
に要望書を出して、組合を作り、区画整理に対しての補助金をもらって、さら
に、遺跡発掘事業を行い、ようやく工事に入ります。その際、土地の場所や面
積は、一旦、シャッフルして皆で相談して、決めて行きます。道路際等は、土
地評価額が高いので、割当面積は減りますし、離れて行くにつれ割当面積は増
えます。
 つまり田んぼを宅地化したからと言って、100%の面積が自分の物になる
とは限りません。さらに減歩と言って、面積が減る仕組みがあります。
○保留地減歩→売却して事業費の一部に充てるため定められる土地をいいます。
○公共減歩→区画整理では,宅地を有効に利用していただくために,道路や公
園などの整備を行ないます。これらの用地に充てるため,整備の効果を受ける
地区内の方々から少しずつ土地を出し合っていただく仕組みになっています。
この個々の宅地の面積が減少することをいいます。
 この二つの減歩で、結局、何割かが元の面積から減ることになります。しか
し、高度成長時代は、区画整理事業に対し、かなりの補助金が出たので、その
減歩率も低く、ほとんど元の面積分の価値が手元に残ったのですが、最近の財
政状況から、どんどん補助金も減って来て、最近では半分残れば良いと言う状
況もあるようです。しかも、ようやく残った土地も、地価の低迷でそうも高く
は売れない。
 それでも、田んぼで持っていては、ろくにお金にならないことを、考えると
宅地として持っていれば、いざと言う時には手放して現金化、出来る魅力には、
代え難いと思います。しかも、農家の中には、仕事として土建関係や建設関係
をしている人も多く、一つの区画整理事業があれば、かなり長い間、仕事にあ
りつけます。そんなことを思うと、林さんちが、どうのこうの言える立場では
ありませんが、田んぼが埋まって行くのは、とても悲しいのです。
 さらに、これからどう経営を行って行くのか、後継者に経営基盤を譲って行
くのかを、考えると、頭の中がグルグルと回ってしまいます。いっそのこと、
今ある土地を全部売って、田舎で土地を買って経営をするか。いやいや、面積
が減ろうとも、ここでがんばってより付加価値のある商品を作って行く。それ
とも、、、etc。まあ、最後は、死ぬわけではないので、気楽にそれでも真剣に
ニュー林農産を、模索していく数年になりそうです。「念ずれば花開く」の、
オーラを、今一度最大パワーにしてやって行きます。

3.災害の少ない野々市町

 今、能登半島沖を、台風14号が、通過中です。風は強いのですが、雨は降
っていません。完全にフェーン現象で、気温がグングン上昇中です。スタッフ
も、朝、「稲刈り、せんがぁ〜」と集まって来たのですが、さすがに、台風の
中強行する勇気もなく、自宅待機命令を出しました。
 でも、雨が降っていないので、午後には、稲刈りに行けそうかなぁ〜と思い
つつも、事務所で仕事をしています。それでも、つくづく災害の少ない地域で
助かったと思います。山越えで来る台風は、霊峰白山が盾となって防いでくれ
るし、今回のように1991年の忘れもしない台風19号のコースにソックリ
でも、わずかに日本海側にそれてくれました。これが、少しでも石川県に近づ
いたコースだと、大変なことになります。
 台風19号の時は、倉庫のシャッターが、外れてスダレ状態、、(T_T) バ
イクのヘルメットをかぶって必死に、お米にブルーシートをかけた覚えがあり
ます。それからは、家の中も窓付近は危険なので、家族で、家の真ん中の部屋
に集まって、すごく暑い中、じっと朝を待っていました。去年も、妻から「工
場がエライことになっている、すぐに来て!」と呼ばれ行くと、工場のシャッ
ターが、台風で押されて膨らんで、もう少しで外れそう。しかも、下から雨し
ぶきが、ザーザー吹き込んでお米を濡らしていました。とっさに、その辺のパ
レットで、シャッターを抑えてなんとかしのぎました。今年は、完全防御体制
です。http://www.hayashisanchi.co.jp/diary-k/koyo.cgi(9月7日参照)
 しかし、そんなことなんか、九州の被害状況を見ると、本当に微々たるもの。
あんな風に、田んぼが水で埋まったら、家が床上浸水したら、土石流で流され
たらと、想像するだけでゾ〜っとします。たまに、水害で消防団の出動があり
ますが、水の力には、人間の力なんてほとんど通用しません。火災であれば、
くい止める自信はあるのですが、水害は、本当に無力感を感じます。
 一度、水に浸かった稲を刈ったことがありますが、水が引いたからと言って
助かるわけではありません。ドロが乾いてすごい埃が立ち、前が見えないほど
になります。そして、何やら流されて来たゴミを巻き込んでしまい、さらに雑
菌で稲が腐って臭い、、(T_T) さらに、放っておくとすぐに病気になってしま
います。せめて、これから東北地方や北海道をそれて行くことを祈るだけです。
 そんな意味からも、貴重な田んぼが、林さんちの地域なんだけどなぁ〜と、
思いを強くする台風の日でした。

先週→今週           新米販売予定
超普通じゃないコシヒカ 24→20袋/182袋 11%    9月中旬
普通じゃないコシヒカリ   0袋/507袋  0%  9月10日
お得なコシヒカリ     30→20袋/800袋  3%   9月10日
ハナエチゼン       袋/未定 100%  発売開始  8月24日
ひとめぼれ        袋/未定 100%  発売開始 9月7日

敬白
「あぐらぐち」とは、我が社の志高きプロバイダー氏が、名付けた、
「ホームページといういろりばたで、あぐらをかいて、話でもしまいけ」と
いう意味で名付けられました。
妙ですが、オリジナリティーがあって、私は気に入っています。
なお、「こんなメールマガジンいらないよ」
「HPの日記読んでるからいらないよ」と言う方は、
そのまま送り返しください。こちらで、リストから、外します。


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