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     林さんちのあぐらぐち物語 2008年 卯月2号
       http://www.hayashisanchi.co.jp

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 このメールマガジンは、林さんちの大切なお客様と、ホームページをみて
   林さんちに興味をもっていただいたお客様にお送りしています。
   
_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/ 2008年 卯月2号  _/_/_/_/_/_/_/_/_/_/

1. 巻頭言

 ケガをした左手が痛い社長以外は、順調に作業は進んでいます。種まきも、
予定通り3回終了。一時、芽の出が良くなかった1回目の苗も、揃って来て、
ホッとしています。

  在庫メーター     空←――――――――――――――――→満 
超普通じゃないコシヒカリ ■■■■■■■■□□□□□□□□□□□□
普通じゃないコシヒカリ  ■■■■■■■■■□□□□□□□□□□□
普通のコシヒカリ     ■■■■■■■■□□□□□□□□□□□□
ハナエチゼン       ■■■■■□□□□□□□□□□□□□□□
ひとめぼれ       ■■■■■■■■□□□□□□□□□□□□

             詳しい数字は、メルマガの最後に

2.今週の林さんち・・・・無肥料覆土の意外な効能

 前回のメールでも書きましたが、1回目、2回目の種籾の芽の状態が心配さ
れましたが、なんとか芽揃いして来ました。芽さえ出ればこっちのモノ。今度
は、逆に上に伸ばさないように工夫して行くことになります。まずは、芽揃い
をさせる必殺グッツ、その名も「ラブシート」について。このラブシートは、
不織布と呼ばれ化学繊維を織るのではなく、ランダムに絡ませて薄くした紙状
のシートです。厚さ、大きさで、色々なタイプがあります。紙状なので、かな
り強く引っ張れば裂けますが、通常の使用では問題ありません。しかも紙より
軽いので、フワフワした感じです。昨年のメルマガにも詳しくあります。
http://www.hayashisanchi.co.jp/mailbk/20070402.html

 簡単に言えば、ラブシートで羽布団のように優しく苗にかけてあげておくと
小さかった芽が、グングン伸びて来たのです。でも昔は、土の上に芽が出てい
ないと、なかなか復活しなかったのです。原因は、発芽阻害物質アブシジン酸
と、苗に使用する土質も影響しました。昔の土は、細かくて粉状で、種籾の上
に被せると水分で塗り壁のように硬く締まってしまい、芽が出て来なくなった
のです。ところが、近所の優秀な農家さんに、上に被せる覆土は、粒状が良い
よと聞き、試したところ実にグッド。粒々の土の間から見事に芽が、ニョキニ
ョキ出てくるのです。この種籾の下の土「床土」と、上の土「覆土」の資材を
分ける方法は、管理が倍になるので面倒ですが、それ以上の効果があります。

 さらに数年前から、超普通じゃないコシヒカリ用の有機肥料入りの床土、無
肥料の覆土の2種類が増えました。おかげで管理も4倍になったのですが、な
んと言っても、苗の出来は収穫まで影響するので、そんな苦労もなんのその。
有機肥料入りの土は、熱処理が出来ないので雑菌が多く病気やカビに弱く、そ
れに対処するために、土表面を鎧のように守るために覆土を無肥料にしたので
す。しかし、この超普通じゃないコシヒカリ用の無肥料の覆土が意外な性能を
発揮したのです。

 芽さえ出てしまえば、今度は「根」を伸ばさねばなりません。しかし、最近
の温暖化で、どうしても上ばかり伸びてしまう傾向にあります。特に、後半の
種まきした苗に顕著です。ところが、この無肥料の覆土を使うと、あまり上に
は伸びないのです。ということは、他の苗にも応用できるのではと思い、昨年
は、4月16日種まきのコシヒカリの一部と、5月5日種まきのカグラモチの
覆土に使用してみました。すると、実に良い具合に育ちました。この時期の苗
は、気温が高くてハウスの管理でどれだけ調整しても、どうしても上ばかりモ
ヤシのように伸びて、根は短い不良苗になりがちでした。それが、すいぶん解
消されたのは、大きな成果でした。稲作を始めて20年以上経っても、気づく
ことってあるんですね。

 根がビシッとマット状に苗箱の中で育つと、良いことばかり。「水持ちが良
く散水が少なくて済む」「田植え機にセットする時苗が壊れない」「田植えの
の苗箱数が少なくて済む」「田植え後良く育つ」「良く育つので草に勝つので
除草剤が少なくて済む」「収量が良くなる」「林さんちの経営が良くなる」「
社員のボーナスが増える」でも、根が良く育たないと、この真逆のことが起き
ます。

 今でも忘れない平成10年の春に、その最悪のことが起きました、、(×_×)
1998年4月http://www.hayashisanchi.co.jp/diary-k-log/ky199804.html
原因は、わずか数百円の棒温度計が壊れて、芽出しの温度が滅茶苦茶になった
結果、まったく芽が揃わず、根も張らず、酷い苗になったのでした。しかも、
酷い苗に集中力を欠いた私が、苗の搬入でパレットをひっくり返すというオマ
ケ付き。この年の田植えの苦労、その後の管理の苦労は、今思い出してもゾ〜
っとします。さあ、今年も一つハードルを突破!良い苗に向けてまっしぐら!

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3、祖母へのお見舞い

 世の人々が花見に走り回っている、先日の日曜日。穏かなお天気の中、初め
て家族で私の祖母のお見舞いに行って来ました。祖母は、御歳93歳で、町内
の老人病院に長く入院しています。入院して、かれこれ15年になります。原
因は、いわゆる昔で言うボケ、今で言う認知症ですが、発症は早く60歳半ば
でした。当時20代だった私にとっては、どう対処して良いか分からない、と
にかく驚愕の事態でした。

 子供の頃からの祖母は、いわゆる「いじわる婆さん」私の母をいじめる姑の
イメージの他ありませんでした。今、思えば貧乏だったことが、そうさせたの
かもしれませんが、例えボケたとしても、私にとっては疎い存在であったこと
は否めません。それをさらに強くしたのは、認知症の初期は、他人に対しては
普通に話すのですが、その内容が最悪。「うちの嫁は、メシもくれん」「私の
通帳を盗んだ」と近所中に話すのですから大変です。食事をとったことも忘れ
る、通帳は、どこに置いたか分からなくなり失く。ドロボウされたと思い肌身
離さず持ち歩くので、今度は色々な所に落として失くす。通帳は、庭で2枚発
見されましたが、きっと庭仕事中に落としたんでしょう。

 極めつめは、冷蔵庫にあった正月用の「酢だこ」を一樽全部食べてしまった
こと。しかも、お正月に、おせち料理は一口も食べさせてもらえなかったと、
近所中に言いふらしたのです。しかも、症状は、どんどん酷くなり徘徊で、周
辺の全ての交番、そして、地域の方々に迷惑をかけるようになりました。トド
メは、孫の私に「どこのどなた様でしたっけ?」と言われたことでした。その
時は、怒ってしまい「孫のこーよーやがいね!」と大声を出してしまいました。
この時点でようやく単なるボケではなく、完全な認知症であることを始めて認
識しました。

 この時に、我が家は、大きなミスをいくつも犯しています。まず、認知症の
初期に、名前や何かを忘れたりしても、怒ってはダメ。初めて聞いたふりをし
て聞かねばなりません。場合によっては家族でも名札を付けることも方法の一
つ。ボケは、いわゆる恥ずかしいことではなく、病気の一つです。早い段階に
医者に診せることが大切。今は、ケアマネージャーと言う方が、地域に必ずい
るので、すぐに相談すべきです。自分がボケたと認識し始めた頃、誰かに叱ら
れると、だんだん自分自身の中に引っ込んで行き、さらに症状は悪化します。
自分が、ボケたのでは?このまま自分が何処に行くのか?という恐怖感は、想
像すら出来ません。認知症について、その他多くのことを知ったのは、すでに
祖母が入院した後のことでした。

 そんな祖母も数年前から、寝たきりで、話しも出来なくなり、食事も、チュ
ーブから入れている状態です。でもその他は、至って元気で、まるで仏様のよ
うにベットに寝ています。入院費用は、月10〜12万円ですが、まだ通いの
頃、介護で母親が、体を壊したので、銭金ではありません。良く診てくれる病
院があって感謝しています。でも、長い間、自らの意思で、お見舞いに行く気
持ちにはなれませんでした。そんな私も今年で48歳、息子達も受験その他で、
落ち着いて来たので、家族でお見舞いに行かねばと思うようになったのです。
歳を重ねるということは、こういうこともあるのかなと、思いながら嫁さんと
息子達に、お見舞いに行こうと呼びかけました。

 母親には、「おや?どうしてそんな気持ちになったんや?まあ、行ってみま
っし」と言われましたが、嫁さんも、息子達も、素直に聞いてくれてお見舞い
に行くことが出来ました。ひ孫の声を聞いて、少し反応したようですが、目は
元々強度の弱視で、ほとんど見えていないので、分かったかどうかは不明です。
でも、ひ孫達に生きている間に会わせることが出来て、少し肩の荷が下りまし
た。また、家族で機会を見ては、お見舞いに行くつもりです。真のお笑い系へ
の道を、歩むには、人生の道もしっかり歩まねばならないことも、最近、感じ
ています。ケガで入院して、色々と考えたこともあるのかしれません。まあ、
ケガの功名ということにしておきましょう。
 
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     平成19年度 新米発売日
超普通じゃないコシヒカ 120袋/290袋 41%   10月 2日
普通じゃないコシヒカリ 246袋/571袋 43%    9月15日  
普通のコシヒカリ    280袋/751袋 37%    9月15日    
ハナエチゼン      72袋/279袋 26%   8月24日
ひとめぼれ        94袋/245袋 40%   9月 8日

敬白
「あぐらぐち」とは、我が社の志高きプロバイダー氏が、名付けた、
「ホームページといういろりばたで、あぐらをかいて、話でもしまいけ」と
いう意味で名付けられました。
妙ですが、オリジナリティーがあって、私は気に入っています。
なお、「こんなメールマガジンいらないよ」
「HPの日記読んでるからいらないよ」と言う方は、
そのまま送り返しください。こちらで、リストから、外します。

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