林さんちのエンレイ大豆

林さんちのエンレイ大豆は、おヘソが白い美味しい大豆です。

化学肥料殺菌剤・殺虫剤・不使用除草剤播種後に1回使用

種まきは農薬を使用していない大豆を使用します。

通常の大豆の種まきの場合は、鳥避けの真っ赤な着色と病気にならないように殺菌剤をまぶした種を用意します。真っ赤な芽がヘビの目に見えるので鳥避けになるとのこと、、本当?あまり効果はありませんでした。20年前の林さんちの大豆の種です。真っ赤でビックリします。

今では、林さんちの大豆の種まきは、まったく処理をしない普段、販売している大豆を使用します。

病気や虫に食べられないために肥料は抑えて種まきします。

林さんちの大豆の肥料は、化学肥料を散布していますが散布量は、通常の30%~50%に抑えています。肥料をたくさんやれば大豆の収量も上がりますが稲同様にブヨブヨに太った大豆の葉っぱや実は、虫がたくさん寄って来ます。そして虫だけでなく病気も発生しやすくなります。種まきで土を被せた後に除草剤を1回だけ散布したら後は、一切農薬を使用しないので虫や病気は、大敵です。そこで稲同様に去年の秋に土作り資材を散布して土を良くした上で種まきをしてさらに肥料を押さえて健全な大豆の木や実を育てます。そうすることによって美味しい大豆が実ります。

鳥から大豆の芽を守る林さんちの秘密です

今では、鳥避けに合成着色料で真っ赤にすることもなく白いまま種まきをしていますが、それでも鳥に大事な芽を食べられることは少なくなりました。最近、周囲の農家さんに「林さん、大豆播いたら鳥に食べられんけ?」とよく質問を受けますが「いや、そうでもないよ」と答えています。たまに鳥避けの毒を撒いたり置いたりする不届き農家の話も聞きますがそこは、お笑い系の林さんちの今までの経験でいろいろやって来ました。そこで林さんちの「大豆の芽を鳥から守る方法」をお教えします。

他人より遅く播け!

まずは、大豆の播種を慌てないこと。大豆は、転作作物として農家の方が大規模に播かれます。その作業が始まってから種まきをします。そんなん分からんと言う方は、近所の農協や農林総合事務所ってところに電話して大豆播種の適期はいつですか?と問い合わせみてください。その範囲の後半なら大丈夫です。すると鳥さん達は、そっちの芽を食べて腹いっぱいで満足するので来ません。

深く播け!

通常、大豆の播種は、なるべく浅く3センチ前後で播きますが少し深めの5センチ程度で播くことをお勧めします。鳥さん達の大好物は、芽が出て一緒に上がってくる双葉部分です。この双葉があまり露出しない方が鳥さんには、狙われません。昔、私が出芽し易いようにと浅く播いた大豆が鳥さんで全滅。それ以来、私に大豆播種は、させてもらえなくなりました(ToT)
結構深く播いても元気に出てくる大豆の芽。生命力の強さを感じます。
種まきをしている専務の日記にも書いてあります。

培土(土寄せ)は一石四鳥の効果があります

種まきをして少し大きくなると培土いわゆる土寄せをします。土を寄せてあげると埋まった茎の部分からさらに根っこが生えて来て栄養吸収が良くなります。さらにその根と盛り土で風雨で倒れにくくなります。そして土を耕すので草を抑えることも出来ます。さらに梅雨本番に向けて出来た溝が排水を促します。大豆は、乾いた土を好みますので水に浸かると枯れてしまいます。そんな培土は、まさしく「一石四鳥」の効果です。しかも昔は、スタッフも少なくて1回しか出来なかった培土も2回行うように数年前からなりました。このことによってさらに収量と品質が安定するようになりました。

1回目の培土、、まだ大豆は可愛いですが梅雨の前にやらないと湿害を受けます。

2回目の培土、、発根を促すためにガッツリ行います。

大豆の花は可憐です

8月初旬に大豆は、可憐な花を咲かせます。エンレイ大豆は、薄紫色の直径8mmにも満たない花です。この時、畑に栄養が多過ぎると花をつけません。大豆に限らず生物の生育には、二つのステージがあります。

「栄養成長」と「生殖成長」は生物に共通です

「栄養成長」と「生殖成長」つまり栄養豊富だとまだまだ育とうとして花をつけないのです。大豆栽培の授業や体験畑でたまに花をつけない場合があります。この原因は、良かれと思って過剰な肥料を撒くと花がつかないのです。そんな時は、「摘葉」と言って上に伸び過ぎた茎と葉を取ってしまいます。すると倒伏防止にもなるのと刺激を受けた大豆は、「おっと花をつけなきゃ!」と花をつけ始めます。少子高齢化の日本も大豆の「栄養成長」状態と同じなのかもしれませんね。

枝豆でちょっとツマミ食いです

大豆に鞘が付いて実が膨らむ9月上旬になると「枝つき枝豆」として少し収穫して地元の生産者直売コーナーで販売します。枝豆専用の品種では、ないので鞘に生えている細かい毛、、毛茸(もうじ)も多いです。枝豆専用の大豆は、鞘に毛も少なくて3粒づつ入っているそうです。でも味に関しては、抜群なので地元でしか食べられないレアな味です。お客様には、悪いですが一足先に楽しんでいます。

いよいよ大豆の収穫です

稲刈りが終わった10月上旬にいよいよ収穫の開始です。すっかり葉が落ちて大豆の鞘が茶色になってカラカラと音を立てています。台風や強風が吹くとせっかくの大豆が鞘から弾けてしまうのでこの時期は、とても微妙な時期でもあります。お天気が良いことを祈るばかりです。

収穫に使用するマシンがクボタ大豆コンバインDC-1です。このマシンは、平成元年製のクラシックマシンです。でもこれが登場する前は、手で刈ったり刈り取り機で刈った大豆を風呂敷に入れて人力で運んで脱穀機を通して収穫していました。非常に重労働で今でも思い出すと冷や汗が出ます。このマシンを購入した時は、神様に見えました。しかしあれから20数年が経ち相当老朽化しています。それでも新車を買えないのは、わずかな大豆栽培のためには、余りにも高価、、約500万円ほどするからです。林さんちの専務にスーパー整備をしてもらって頑張って活躍しています。

大豆の乾燥選別袋詰めも大変です

収穫した大豆は、作業場に広げて扇風機!で風乾燥します。本来なら大豆乾燥機を使用するところですがこれまた高価な機械なので林さんちには、ありません。その代わり風乾燥は、時間がかかりますが乾燥機の中でグルグルと掻き混ぜたりしないので大豆が傷みません。3週間ほどかけて風乾燥してから大きなフレコンと呼ばれる袋に入れます。

そして選別機を通して虫食い大豆や変形大豆を取り除きます。

方法は、2段になった少し傾斜の付いた回転するローラーの上を大豆を転がすのです。すると形が丸くない大豆は、転がらずに上に持って行かれて除去される仕組みです。多くの農産物の選別方法としてはスタンダードな方法の一つです。

大豆の選別の最後は手選りで行います

しかし機械での選別にも限界があるので最後は、手でスタッフが一粒づつ選別します。選別機では、丸くない大豆は、除去出来ますが着色粒と言った被害粒は、除去できません。大豆用のカラー選別機もありますがこれまた超高価で手が出ません。林さんちは、補助金に頼らない農業を目指しているのでそうそう大豆にお金をかけられないのです。

そして30キロ袋に一旦詰めて検査をしてもらいます。ここで等級のハンコを押してもらって晴れて出荷が出来ます。

林さんちの大豆は野々市市の給食で使われています

ここで自慢です。野々市市の小学校中学校の給食で使われる大豆の全てが林さんちの大豆です。生産者として子供達へ給食残食を少なくする授業をして効果を上げています。

林さんちの大豆は煮姿が綺麗で美味しいです

多くの大豆は、胚芽部分が黒っぽい場合が多いです。ところがエンレイ大豆は、胚芽=おヘソ部分が白い珍しい大豆の一つです。おかげで煮豆にした時が美しいのです。味も煮豆に向いているくらいですから美味しいに決まっています。これで作るお味噌が美味しいのもうなずけます。ぜひご賞味ください。

林さんちのおヘソが白いエンレイ大豆をぜひご賞味ください。

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